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大みそか、遠くから聞こえてくる鐘の音を聴くのが好きだ。 毎年、家族で近所のお寺に出向いていた事もあったが、その寺が廃寺になってしまったのがきっかけで行かなった。 この辺り田舎なのでみそかの夜はクルマも人も少なく、寺の周囲は足下も暗くなる。地味な寺だがこじんまりしていて好きだ。そんな静けさのあちこちから、家族単位の一団が寺めざして歩いてくる。 本道で拝んでみかんとダルマを貰い、去年もらったダルマをたき火で燃やしてもらう。 それから、鐘をつく行列に並ぶのだ。今年の無事を感謝し、来年の運を祈願しながら鐘をつく。ゴーンと長い余韻のなかで僕はいつも子供の頃感じた、匂いや色、音、声、誰かの顔、テレビのニュース、家の風景など、走馬灯のように現れては消えていく。