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年末から始まった小津映画が正月二日からまた再開した。カラー作品の「浮草」を観た。 アグファカラーというフィルムを使っている。アグファは赤色の発色に特長があり、小津映画でも赤色のヤカン、看板などが印象的に使われていた。ぼくも好きなフィルムでカメラに常用している。 「浮草」は全体のトーンがベージュぽくカラーでも派手さはない。 横で観ていた娘は「こんなんなにがおもしろいのかわからんわ」。そうやろな。僕も40を越えてからこの映画の良さがやっとわかったくらい。出演者は中村翫治郎、京マチコ、杉村春子、若尾文子。 なんと豪華な顔ぶれ。しがない旅芸人一座は一年に一度、ある海沿いの小さな町にやつてくる。ここには座長(翫治朗)とこの町のおんな(杉村春子)の間にできた息子(川口浩)がいる。
息子は郵便局に勤めていて座長を叔父と教えられている。座長には同じ一座に愛人(京マチコ)がいる。これらが入り乱れて話が展開するが、やはり例の淡々とした語り口で話は進む。 最後は一座が解散してしまうが、登場人物ひとりひとりの持つ悲哀をやさしく描き出している作品だった。 ラストで駅舎でひとりになった翫治朗に、たばこの火を差し出す京マチコのシーンが粋だった。