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僕が30年愛用しているあのクラシックギターは1966年製。そろそろ寿命かなと、先日恵比寿ガーデンプレイスの楽屋で高田 渡氏にその話をしたら、家にいいギターがあるから見においでよと言われ、後日三鷹にある例の15アンペアの高田邸を訪れた。最近、畳が沈んできたので床の補強をしたばかりという6帖の奥から、渡氏は茶色の小さなギターケースを持ってきた。70年代にスペインで買い求めたというそのギターは小振りで可愛らしい、頭でっかちな、まるで渡ちゃんそのままという風袋だった。音色、音量もこじんまりとしている。調整すればもっと良くなるようだ。いっぺんで気に入ってしまったので、値段を尋ねたら「あげるよ」と気前のいい返事が返って来た。ずっと使っていなかったし、楽器は使わないと駄目だからねと。で、有り難く戴くことにした。代わりにアイルランド製のパイプをプレゼントすることにした。しばらくお茶を戴いていると、押し入れから「アリちゃん、いいもの見せてあげる」といって1台の5弦バンジョーを見せてくれた。そのバンジョーはひっそりとした控えめな光を放っていた。趣味の良いインレイが指板に入れられ、金具には手の込んだ装飾が彫られている。「これ、誰のだと思う?・・・・省悟のだよ」。一瞬何も言えなかったがなるほど、なるほど、なるほどな・・・・。らしいバンジョーやな。なんだか懐かしい気分でその後もゆったりとお茶の時間が流れていた。