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新しいハーモニカのサンプルが某社から送られて来た。2種類のハープだが、両方ともボディが何とRoseWoodだ。ギターにはお馴染みの堅い高級素材である。意表を突くのが、もう一本のハープだった。何と、カバーもRoseWoodで出来ていた。まるでMartinGuitarみたいな雰囲気で、これがなかなか格好いい。以前からああだ、こうだと意見させてもらっていた音質も飛躍的に良くなっていた。 特に低音部のコシのある粘りは絶品だ。めったにネを上げないし、音はとにかくぶっ太い。リードの材質はギター弦に使われているフォスファーブロンズ。ここら辺りはだいぶ試行錯誤した箇所と思われる。その成果は出ていた。それから、木製カバーの方は、マウスピースの厚みが20mm(普通は15mm位でカーブもつけてある)もあり、Rの角度も壁のように口の前に塞がる感覚。十分違和感ありだが、これにいったん慣れると癖になる。ほんとこの機種は面白かった。ハーモニカのトーンコントロールは口の開け方というか、くわえ方で随分音色が変わる。もちろんそれに手の包み方も加わるのだが。もう一本は従来からあるメタルカバーで、マウスピースも並みの薄いタイプである。サウンドも前記のハーモニカと同様にしっかりしている。こちらはメタルなので音色は明るく、メリハリが効いている。しかし、音の太さ、ウォーミングな音色はこのシリーズの特徴である。
最近ではホーナーのマリンバンド・デラックスは高いが優れたハープだと思う。デザインも50年代のホーナーの良さが出ていて好きだ。こっちは前記のハープとは対照的に楽に鳴ってくれる。
しかし、新製品はいつ発売でいくらなのか気にはなる。RoseWoodは高いからな。
ああでも久しぶりにいいハープに出会えた。
すてきなプレゼントを貰った。あの、マンハッタンに長く暮らし、アポロシアターのアマチュアナイトで決勝まで行ってしまった男。大橋伸行。そしてその後、数年前に日本に戻った大橋が、遂に念願のハーモニカCDをつくった。ブルースが好きで好きでしようがない。ニューヨークではブルースシンガーに歌のレッスンや発音、そしてブルースの何たるかを学んでいた。帰国後、彼の演奏を聴いたがハーモニカはもちろん、いろんな面で随分成長したなと思った。そして、今日そのCD を聴かせてもらった。脳天がぶっ飛ぶ、このノイジーなブルースハープは何だ! やっぱりOhashiだったんだ。暴れまくるわ、喚くわ。そこらの日本のブルースハーププレイヤーはもう太刀打ちできない。そして、このCD、ひとりで作っているのだ。ハーモニカ一本持って、貸しスタジオに籠り、ダビングを重ねて録ったらしい。意表をつかれたが、これが良かった。まさにオリジナリティ溢れるアルバムになっている。僕の知っている日本のブルースシーンってオリジナリティが欠けている。アメリカの黒人の物まねばかりだ。大橋はむかしJ Geils Bandが好きだった。でも、もうそれを超えてしまい、自分のブルースをふけるようになっている。大橋は大橋でしかないのだ。
非常にノイジーな音楽だが、演奏はしっかりしている。 特にWillie Dixonの「Red Rooster」の後半のソロは素晴らしい。そして、CD全体にむんむん漂うチープなディレイノイズが効果的であり独特だ。ロックだ、パンクだ、ブルースだ、ジャズだ、なんてぶっとばせ。素晴らしいアルバムが日本から出たぞ。
http://www.geocities.jp/ohashi_nobuyuki/
先日、渋谷にあるアップリンクの方から試写会の招待を戴いた。 この4月1日から渋谷のUP LLNK Xというスペースで公開予定の映画「トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男」である。クラプトンとデュアン・アールマンの名曲「いとしのレイラ」をプロデュースし、そして録音したトム・ダウドという天才の仕事をドキュメントしている。1940年代から亡くなる2002年までジャズメン、ロックアーティスト等の証言で進んで行くが、中でも大学のとき原爆の研究にも携わっていて、戦後大学に復学しようとしたが、軍事機密を漏らせないので好きな音楽に転向せざるを得なかったエピソードが興味深かった。現在の音楽にもいっぱい業績を残している。8トラックのマルチレコーディングシステム等革新的な技術を作ったのも彼である。だから、音楽の仕事をしている人たちは必見であるが、一般の人たちにはやや話が理解できないところもあり、退屈するかもしれない。家に帰ってからアトランティックやスタックスレコードのクレジットを探すと彼の名前が出てくるわ、でてくるわ。コルトレーン、モンク、ガレスピー、ミンガス、Ben E.Kingの「Stand By Me」,アレサ・フランクリン、Cream,Booker T.&The MG'S, Otis Redding どうだ!!!
どんな時でもすごいアイデアと音楽を愛している姿は感動的で、ラストの「いとしのレイラ」のマルチテープからクラプトンとオールマンのギターの絡みを取り出し、こどもみたいに嬉しそうにミックスする場面に、この裏方の偉大さと音楽の素晴らしさを痛感した。
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