Bob Dylanを描いた新しい映画が封切られ仲間内では評判が良い。
自分は未だ観れていない。
Dylanは青春時代のヒーローである。60年代ラジオからあのLike a rolling stoneが流れた時の衝撃は今でも覚えている。ヒットパレードでは一曲が2,3分が当たり前の時代だったが、聴いたこともないようなダミ声のヴォーカルが延々と何かに向かって吠えていた。オルガンとエレキギター、ピアノ、ドラムス、タンバリン、ハーモニカがトランジスタラジオから洪水のように押し寄せてくる。英語の歌詞の意味はわからなかったが自分の感覚が揺さぶられその渦の中にいつまでもいたい感覚だった。そんな経験からミュージシャンを目指した仲間も多いらしい。私もそのうちの一人だった。
先日、NetflixでRolling Thunder Revueのドキュメンタリー映画がやっていたので夜中に観た。1975年から76年にかけて行われた全米ツアーのドキュメンタリーでボブ・ディランもその一環として、アメリカのルーツを辿りながらライブを行うツアーを計画した。ツアーの名称は、ネイティブアメリカンにおいて祈祷師のような特殊な能力を有する人物「ローリングサンダー」に由来するらしい。
そのなかで印象に残るシーンがあって、ディランが休暇でフランス南部のカマルグのお祭りに行った時フラメンコギター奏者のマニタス・デ・プラタのライブを観に行ったとのこと。そして一晩中彼の演奏に酔いしれて感動した。そしてその後出来たのが「One more cup of coffee」だった。ここで懐かしいマニタス・デ・プラタの名前をディランの口から聴くなんて驚いた。自分にとっては60年代半ばマニタスのアルバムを二枚持っていたし彼はピカソやダリ、ビュッフェなど芸術家に愛されていた南フランスのジプシー。そのころは即興的な演奏が嫌われていたのか私の周りのフラメンコ愛好家からは異端児であったみたい。すぐ上の兄がフラメンコギターを弾いていて早くからこのマニタスを勧めてくれていた。
そんな経緯の中聴いた「One more cup of coffee」は格別でした。
https://www.youtube.com/watch?v=ujgqOgMIwfA
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